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このプロジェクトのこと(1)
始まりは「福岡からこんにちは!」
日本語教育に関わるようになってまだ日は浅かったのですが、前から書籍の販売は細々としていて教科書については情報を集めていました。 自分はその頃、Japanese for Busy Peopleを使っていることが多く、VHSでは、1学期12から15回の授業(週一回90分)をだいたい5課ずつやってました。まとめの課などもあるのですが、30課まである本なので、だいたい5学期から6学期(2年半から3年)で第1巻が終わるというテンポ。 指導書などを読むと、集中講座で朝から昼まで90x2あるいは、午後もさらにというようなクラスでは1日に一課進み、6週間ぐらいで終了というテンポで進めるようにできているとのこと。日本にいて、日本語学校で(つまり周りの環境は日本語)集中的にどんどん進めて2カ月足らずで終わらせる内容をドイツの市民大学(ほとんどが趣味として学んでいる仕事を持った方達)で3年かけてゆっくり進めるのとではだいぶ違う。
ひらがなバージョンもあったけれど、市民大学ではローマ字バージョンを使っていたために、3年たってもひらがなが読めない生徒さんもいらして。大学でも日本語を専門としない一般学生のための日本語(語学センターが提供しているプログラム)をやはり週一回90分、あるいは、90x2で教えていました。ペースはもう少し早かったのですが、それでも、ひらがなの習得には時間がかかったし、ドリル練習で語彙や言い回しの定着も難しく。第二巻になると突然ボキャブラリーも増えるので、日本に住んでいない学生、受講者には「改札口」が何なのかから教えなければならないし。
そんな時「福岡からこんにちは!」を使って勉強したという学生がクラスに来ました。名前も面白いし、手に取ってみたらなかなか面白い。 オーソドックスに最初に会話文があり、文型項目ごとに説明と練習問題があり、一回か二回で一課が終わるようになっている。アウクスブルクやミュンヘンの大学が夏休みなどに開講している「日本語集中講座」の教材として作られたそうだ。一日一課で、2週間で一冊終わる、あるいは、大学の1学期だと1回目の紹介とかテストを入れても12週以内でまとまる。
これはいいと、最初はコピー版を購入して自分が教えていた大学の3年目の教材に導入しました。1学期使ってとても良かったので、これはちゃんとした教科書にしたいなと思い著者の大島ゲーリッシュ先生とコンタクトを取ることにしたのです。大島先生のお名前は前から伺っていましたが、私は大学で日本語の授業を受けてはいなかったので、直接お会いする機会はありませんでした。
もうかなり前なので、いつどこでどういうきっかけでというのは忘れてしまいましたが。少なくとも偶然ではなく、こちらからアポを取って「福岡からこんにちは!」を書籍化しませんか、というお話をしに行ったと思います。そこから大島先生との二人三脚が始まりました。
(続く)
Erstellt: 28. Oktober 2020 07:10